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弓 道
弓道の概要
日本の弓〜その伝統と性格〜
日本の弓は世界に比類のない長大な弓であり、その形状も上長下短となっている。
弓は原始的な飛び道具であり原始民族の中で弓を有していなかったものは稀であり、世界のいたるところに存在する。しかし、その歴史の中で、それを発展し、現在に至ったものがどれだけあるのだろうか。
他の国の弓は短弓であり、力強い。
弓は飛び道具であるから、力の強い弓がモノを射るという目的を達するということはいうまでもなく、これらの弓はその目的によって発達してきたといえる。
日本においてもその目的について発達してきたといえる。
しかし、日本の弓が短弓でなく、長尺であるのはなぜだろうか。
日本の弓は長尺であるため、矢尺をとる。そのため、発射の形も美的であり、芸術的と言える。
和弓が祭祀に用いられ、心理的な世界に大きな分野を持つようになったのはそのためであるといえる。
武道の中の弓道
弓道は武道である。古くは剣道や柔道とともに武芸八班の一番手に位置付けられ、ともに発達してきた。
武道といえば流儀があるが弓道も例外ではない。
小笠原流,日置流,本多流…。そして、その分派。弓道においても数え切れない流儀が発祥している。
道とは、人が行ったり、止まったりするところの意であり、中国では「言う」「治む」「通る」「導く」という意味で用いられる。これが次第に抽象化して、天道や人道などの語が現れ、儒学が原理化されると具体的な行路としての道が、哲学的・論理的な意味合いを持つようになった。
そのうち、武芸、武術的なものは武道といい、学問思想てきなものは別として技能的なものを単に技術として修得するばかりでなく、その課程を確実に把握して、最高の原理をさぐりあて、それに到達するのが道として取り扱われるようになったのである。
流儀はこれら道の秘術的・秘伝的な面であり、個人が鍛錬に鍛錬を重ねて到達した最高の技能、境地であり、一人一流の最高の技能であると言える。
弓道競技の種類
弓道競技には、近的競技と遠的競技がある。
近的競技は距離28mで36cmの的(霞的,星的)を使用する。
遠的競技は距離60mで1mの的を使用する。
また、平成14年からは遠的競技において、距離30m(36cm色的による得点制)も採用されている。
得点方式は、主に的中至上主義を採用しているが、採点制や色的による得点制もある。
現代弓道における目標
現代の弓道が戦陣の弓でないことは異論ないことである。
現代の弓道は武道であると同時にスポーツ的なもので、弓道そのものを愉しみ、体育的・精神的にも高いものを探求するなど日常生活を豊富にすることが出来る。
しかし、弓道という武道のなかにあって、個人が修練し、その結果到達した境地というのは必ずある筈で、それを求めようとすることは大切なことである。
また、弓道は古代に発生したものであって、伝承なくして現代に口伝されることはなかった。
しかし、伝承の経験から新しい経験を引き出さずして、現代にいたることは出来たであろうか。
現代の弓道に存在している流儀、それこそが答えであり、自らが口伝されたものと自らが得た経験によって新しいものを積み重ねることが肝要である。そこには心的な進化があって、それによって外的な進化もそれに伴ってくる。内面の変化なくして外面の変化はありえない。
最後に日本の弓は、表現豊かなことにある。
射禮におけるリズミカルな動き。そして、静の中の動。その一つ一つの動作、姿勢が荘厳性の具現だといえる。